リオデジャネイロ・パラリンピック

2016年9月2日~20日

成田空港には応援会の仲間、同僚、家族、他の代表選手の誰よりも多くの方が見送りに来てくれて本当にありがたい日本出発になった。





たくさんの方に愛されていることを実感しながらも18日後にメダルを首にぶら下げて帰国すると強く思い搭乗ゲートへ。





ロンドンまで12時間の飛行、ロンドンに1泊して、更に12時間の飛行でリオデジャネイロへ到着。
これまで最長の飛行時間は北京への4時間、12時間× 2の飛行時間は未知の世界。自分は長時間同じ姿勢でいると褥瘡ができてしまうため、飛行中は体を横に倒したりして対策をとって過ごし、リオデジャネイロへ着くと体の痛さとだるさ、時差12時間に対する体と頭の違和感…、その後はバスで選手村へ移動。







選手村での生活…、部屋は1ユニットに2部屋のツインタイプ、シャワーとトイレは兼用。
食事は洋食、中華などビュッフェ形式。和食はなく、かなり慣れない食事で持参したインスタント食品が主に(汗)
普段、日本で訪問看護で行っている医療的ケアを選手村では日本代表に帯同している看護師さんにお願いし行い、普段からこの医療的ケアは身体への負担が多いため試合に極力影響が無いようにセッティングをしたがなかなか難しくコンディションを整えるうえで1番ネックになった(汗)

開会式…、入場まで2時間ちかく控え室で待ち、日本代表の入場。












マラカナンスタジアムに入った瞬間、たくさんの観衆と歓声、今まで生きてきて経験したことのない世界観。ただただ周りをみながら口がボカーンと開いていた。

日を重ねるごとに選手村での生活にも慣れてきたが、自分は競技場に行っても個人戦だけのため、練習時間がとにかく少ない。練習コートはメインの試合会場とサブコートが1日ずつ変わり、練習時間は1日1時間。その上コートの床がとてもデコボコしていてBC3選手にとっては厳しい練習環境。国によってはサブコートでの練習は無意味と言う判断で練習をしていない国もあるぐらいだった。





そして、用具チェックなどが無事に終わり、チーム戦&ペア戦からスタート。
自分はこの間、観覧席からチーム戦の応援やペア戦をビデオで撮影したり…他にやる事はなく。


3月に出場した世界選手権でも世界のレベルの高さは感じたが、パラリンピックではその時とは比べ物にならない位の世界のトップレベルの強さを感じることができた。
そんな中、日本のチーム戦は他国との力の差を感じさせるほどの強さで確実に勝ち上がり決勝へ。もっとも熱かった中国戦は本当に多くの人に見てもらいたい格好いい試合だった。





試合を迎えるまで約10日間リオで長く待ち続けていたが、あっという間に終わってしまった。
ベスト8の対決、準決勝、決勝と上に上がれば上がるほどレベルも当然に高く、自分自身がこのレベルまで上がるにはどれだけの練習が必要か…、このレベルまで上がれるのかと言う不安を正直強く感じるほど世界は強かった。

そして、日本国内の試合では絶対にないブラジルならではの会場の盛り上がりがとても印象的だった。

ボッチャ競技のすべての日程が終わり、翌日には帰国の準備。行きと同じようにロンドンを経由して成田空港へ到着。
日本代表選手5人の中でメダルがないのは自分ただ1人。
ボッチャ初めてのメダル獲得、たくさんのメディアや出迎えの中で到着ゲートへ。ボッチャの知名度が一気に上がっていることの実感と同時にこのなんとも言えない複雑な気持ちは一生忘れる事はないだろう。

東京パラリンピックの出場を目指して始めたボッチャ。4年早くこの舞台を経験できたことは自分にとってはとても大きなことになった。とても実のある18日間だった。ただ同時にとても苦しい18日間でもあった。





パラリンピックと言う大舞台、苦しいものでしかなかったものを4年後には必ず最幸なものへと変化させる☆










高橋和樹

パラリンピック競技種目・ボッチャ BC3クラス

0コメント

  • 1000 / 1000